もくじ
マウナケア 地図
30メートル望遠鏡(TMT)とは Thirty Meter Telescope
次世代の巨大望遠鏡
Thirty Meter Telescope。通称 TMT。口径はその名にある通り30m。次世代の超大型光学赤外線望遠鏡となります。
日本が誇る すばる望遠鏡 の口径が 8.2mですよ?どれだけ大きいんだ!
完成したら、すばるの3倍以上の大きさになるということですよね。高さは18階建てのビルに相当する模様。山頂での存在感、ハンパなさそう。
TMT 完成予想図 © 国立天文台TMT推進室 [ギャラリー]
TMT 完成予想図2 © 国立天文台TMT推進室 / 4D2Uプロジェクト [ギャラリー]
上記2枚の画像は、国立天文台TMT推進室様より許可を得て掲載させて頂きました。
TMTは、アメリカ・カナダ・中国・インドとの共同プロジェクトであり、日本は望遠鏡の心臓部である主鏡や副鏡等、望遠鏡構造に関わる製作を担当しています。すばるの主鏡は一枚の鏡からできていますが、TMTは分割鏡。492枚の鏡を組み合わせて30mのサイズになります。
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TMT建設問題と現状
2014年から建設が始まり、2021年に稼働開始される予定だったTMT。しかし、地元からの反対運動が度々行われていたこともあり、そもそもその計画は、思うように進んでいませんでした。
裁判で建設許可が無効になるなどの紆余曲折もありましたが、2019年6月20日に州知事から建設許可が下りました。
2019年7月15日、いよいよ建設工事開始というところで、反対派からの激しい抗議デモが発生。座り込みが続いているために建設工事は開始できず、山にも入れず、問題の落としどころも見つからず、ただ時間が過ぎている状況が続いています。
工事開始までの猶予は2年後の2021年9月26日。それまでに建設計画が撤回されることがあるのか、もしくは強行されるのか…。
工事開始のため州により閉鎖されていたマウナ・ケア・アクセス・ロードが、12月20日に再オープン。詳細は こちら へ。
辿り着かない答え
今まで TMTの建設について、自分は好意的に見ていました。しかし、ここまで反対の意志を見せつけられると、建設は間違っているのかなとも思えてきます。根深くて難しい問題ですね。
どちらにしても、第三者である観光客が口を出すべきではないと考えているので、意見は控えておきます。
これまでの経緯
問題発生の経緯を時系列で書いておきます。
マウナケア保護地区でのTMTの建設許可が無効であると、裁判所で判決が下りました。それに伴い建設計画も中断。現在は、2018年4月の工事再開を目標に、保護地区利用許可の再審査手続きが進められています。これが、計画通りに動けば2027年に完成予定。
ハワイ州土地・天然資源委員会が、TMTによる保護地区の利用を許可。住民の意見を尊重しながら計画を再始動。
国立天文台TMT推進室 インフォメーション 2017/9/29
ハワイ州のデーヴィット・イゲ州知事がTMT建設の着工許可を発行。
TMT gets green light to start construction atop Mauna Kea - KITV
建設開始に伴い、マウナ・ケア・アクセス・ロードがクローズに。それに合わせて、その周辺に、建設反対派が数百人の単位で集結。座り込みなどの抗議デモが発生。
また、この日よりオニヅカ・センターやマウナケア山頂には行けない状態となりました。
日本も参加する望遠鏡建設に抗議デモ、米ハワイ島 - ロイター
デモ活動は続いています。
TMTの工事開始の期限は、当初2ヶ月間でしたが 2年延長されて 2021年9月26日までとなりました。この膠着状態が2年後まで続く可能性も。
TMT Granted 2-Year Time Extension, Emergency Proclamation Rescinded
州によって閉鎖されていたアクセスロードが再開。山頂に行けるようになりました。ソースは太公望ハワイ(instagram)。
「TMT」の2020年度予算で、文部科学省が費用の大半の計上を見送ったとのこと。
最大級望遠鏡計画、ハワイ先住民反対で中断
日米など5カ国が米ハワイ島で建設を目指している世界最大級の望遠鏡「TMT」をめぐり、文部科学省が2020年度予算で費用の大半の計上を見送った。先住民らの激しい抗議活動により、工事再開のめどが立たないからだ。巨大研究施設の予算が実質的に中断されるのは異例のことで、大型の国際共同プロジェクトが抱える難しさも表している。